中国ビジネス奮戦記
中国での携帯電話ビジネスに日夜奮戦している北本同学より、その様子をご紹介いただきました。

中国企業への再就職

 
青島の現地企業とのプロジェクトが一段落し、中国での事業展開も一時中断となったので、昨年春に退社し
で昔の仲間と遊んでいたところ、中国人の友人が推薦してくれた結果ですが、北京の携帯電話の国有企業から
の招聘を受け、2004年9月から技術顧問として勤務することになりました。
 この会社のトップとは以前の会社の関係で面識があり、
北京に出張した時は先の友人と一緒に仕事は無くても
必ず会っていた間柄でもあって、「顧問として月に1週間位会社に顔を出して貰えればよい」との事で勤務を始め
たわけです。
 主な仕事は、中国の第三世代携帯電話の開発指導と言う名目ですが、実際には現在での携帯電話の開発支
援という事で、日本のソリューションや部品、サービス、コンテンツの紹介を行なう一方、日本企業との仲介、新規
事業展開の為の環境整備等の支援を行っています。

はじめての外国人社員
 この企業には、今のところ純粋の外国人は私一人ですが(外国籍を取得した中国人はいます)、幹部の理解もあって、通勤時の
車、秘書、通訳等々配慮をいただいて快適な北京生活を過ごしています。
 給与面では、日本との比較は難しいですが、可処分所得で見た場合、中国では娯楽が少ない事もあり日常使うことはほとんど無
く、給与は高くなくてもそれなりに快適に暮らせています。
 また、朝食、昼食は社員食堂でしかも毎月一定の金額の会社補助もあり、ほとんど自分の金を使うことはありません。値段は昼
食で3元から7元程度なので、だいたい日本の相場の10分の1位といえます。味の方はやはり北京味なので濃く辛めです。カフェテリア方式なので、組み合わせで選べばまあまあ食べれますが、

日本の社員食堂で美味しいところが少ないように、こちらでも社員は不味い不味いといいながら、会社の外にはレストランが少ないので結局は食堂で食べています。私もほとんどが社員食堂です。
 会社の方も何とか社員の要求に応えられる様に、メニューを変えたりして努力をしています。私が着任してから見ていると、最近はカレーライスやスパゲッティなどもメニューに出るようになっています。一般的には中国では、カレーライスやスパゲッティ等の店も本当に少なく、食材も売っている店は限られているので、社員食堂でこんなメニューが出るとは思いもよりませんでした。
 味はというとやはり中国風の味付けで最初は物珍しく、続けては・・・という感じです。しかし、社員の受けは良いようです。この会社は国有企業ですが、業務の評価査定が厳しく、評価が即、収入や職位に影響しますので、総務担当者と思いますが、昼食時間になると必ず食堂に立って、売れ筋状況や社員の反応を見て、メニューの改善に努めています。

勤務時間は午前8時半始業の午後5時終業で、途中昼休みが45分あり実質の勤務時間は7時間45分です。概ね時間通りの出退勤となっており、日本のようにズルズルと居残って残業する人はあまり見受けられず、ほとんどの社員は5時になると一斉に退社しますので、その点はハッキリしています。もっとも幹部や開発部門等の忙しい部門では、残業や休日出勤も多いようです。
 以前付き合っていた青島の企業は、元々は青島市の国営企業でしたが分社化し私営企業として独立させており、そこでの勤務を見ていると、残業や土曜日出勤は当たり前でしたが、やはり北京の国有企業と言うこともあって、社員の気質は少し異なっているようです。

日本との違い
 この1年、中国の国有企業で席を暖めてみて日本の習慣と異なると感じるのは、先ず、①国の祝日が少なく、1月末の春節休暇、5月のメーデー休暇、10月の国慶節休暇に各々1週間位纏めて休む程度、②春節やメーデー(労働節)にあわせて会社から社員へプレゼントがある(私もこの恩恵に預かりましたが)。といった点です。その他は、社内対抗スポーツ(卓球とバスケットボール)とか、年度末の社員慰労会や年度始めの幹部方針大会などはだいたい日本と同じです。
 仕事の面では社内でのPCの普及は日本と同じですが、日本ような職印とか認印はなくて基本的にサインということ、紙による回覧は極めて少なくて原則メールでの通知、会議における資料の配布も無く口頭での説明やプロジェクターでの説明が基本になっていることで、この辺りは日本と大きく異なっています。
 更に私の場合はプロジェクター等での説明時は文字が漢字なのでそれなりに理解は出来ますが、会話は問題有りで、通訳に途中途中でポイントのみ翻訳してもらいますが、中国語の上達が必要不可欠になってきています。
 いろいろ中国語の学習教材を購入していますが、やはり厳しい老師がいないと駄目ですね。楽な方向に流されて・・・と反省する毎日です。


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