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2009年2月末、脱サラした私は中国河北省保定市にやって来ました。早いもので、こちらに来てもうすぐ1年が経とうとしています。現在私は、河北ソフトウエア学院(日本で言う専門学校のような感じで、中国語で“大专”と言われます)というところで日本語教師として滞在しています。中国との縁は大学時代の主専攻が中国語だったことから始まりました。当時の副専攻が日本語教育だったこと、また昔から「若いうちに海外に腰を据えて仕事してみたい」という漠然とした想いがあったので、今回の赴任は何となく必然的な巡り合わせだったと言えるかもしれません。教師経験はゼロからのスタートでしたが、試行錯誤しながら有意義な中国生活を送っています。


保定市とは?
 保定市は北京から南西約150kmほどのところに位置し、北京へは一番早い列車(“动车组”と言って、日本の新幹線と大差ありません。普通の汽車と比べて料金は2倍。ちなみに北京⇔保定間はこの动车で片道45元)で1時間くらいです。保定は以前の省都でもあり、学校が非常に多いのが特徴的です。普段はどこも学生達で賑わってますが、長期休暇になると、特に学校内はゴーストタウンと化します。保定市内のどの学校にも共通して言えることですが、学生は近隣の農村部出身が大半で、休みになると皆実家へ帰省します。
 保定の特産品はロバ肉バーガーです。ロバは今でも果物などの物売りの車を引く労働力として使われており、街中でもよく見かけます。食用にされるようになったのは、ここ数年という話も聞きましたが、市内いたるところにロバ肉専門店があります。肉を饼に挟んで食べるのがロバ肉バーガーで、代表的なスタイルです。私が食べた感想は、可も無く不可もなくといったところです。日本人の友達で、これが大好きと言っている人もいます。
 市内にケンタッキーやマクドナルドはありますが、日本料理を食べられる店は1、2軒程度、西洋料理店も非常に少ないです。コンビニは一軒もありません。大都市と違うところは、夜11時を過ぎると、街中が寝静まるという点です。最終バスも21時には無くなります。しかしタクシーも初乗り5元と北京などに比べれば安いものです。夜は早めに就寝、おまけに昼寝の習慣も根強いこちらの生活は、日本人からしてみると非常に健康的で、時間の流れもゆったりしていると思います。初めは染まらないようにしていた昼寝も、すっかり習慣づいてしまい、日本の生活に戻れるか若干不安です。学校や会社の昼休みは大概2時間あるので、多くの人が昼寝してます。
 気候については、夏と冬が非常に長く、私の感覚では春と秋がほとんどありません。夏は気温40度まで上がります。昨年は4月の時点で既に30度を超えていました。日差しは刺すように痛く、多くの人が日傘を差します。自転車にも傘が差せるようになっています。今本格的な冬を迎えていますが、気温は一番寒い時でマイナス15度ぐらいです。内陸なので、日本の冬と違って非常に乾燥します。普段はあまり雪の降らない地域ですが、今年は例年に無く2、3回積もりました。周囲の保定人達も、こんなに寒い冬は珍しい、と言っています。

日本語講師の生活

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