阿甘中国語教室のホームページにも紹介されていたことから、できれば行ってみたいと思っておりました。それとも・・・と思っていたところ、期せずして昨日佐藤君らに澎湖島を案内してもらえたので、七美島に行って見ようと決めました。寮から港までは自転車で5分くらいのところで、昼食の帰りに通りかかっていたので、島巡りの遊覧船出船時間も調べ済みです。(午前730、午後1330
 当日は、澎湖島に来て初めての晴天でした。(今までは毎日曇天、時折激しいにわか雨が振る毎日でした)

    ここで、私のいい加減な性格から、この後意外な展開となっていったのです・・・。
 初めは730の島巡りの遊覧船に乗るつもりでしたが、前日の食事で佐藤君とビールを少々飲みすぎ、起きたとき何と無くかったるかったので、730の便は見送り最悪1330、もしかしたらこの間にもう1便あるかもしれないと8時に港へ行ってみました。当然730の便は出船しています。私は服務台の女の子に、七美島行きの船は有る?と聞くと“910出船の便が有ります。切符売り場は、外に出て左のところです。“と思いがけない返事がありました。たか!!”独り言を呟きながら、切符売り場まで行くと、先ほどの遊覧船の売り場と違い、小屋のようなところで切符を売っています。
皆お金と、IDカードを提示して買っているので、ちょっと不安になりましたが、“七美、1張!!”と言うと、案の定IDカードの提示を求められました、日本人だから持っていない・・・と言うと、ここに名前を書いてくれと紙を提示されたので、氏名を書くと簡単に売ってくれました。料金は443元、先ほどの遊覧船は750元でしたから割安になったと喜んで乗船しました。船は「南海之星」という名の結構立派な船です。中に入ると、1階と、2階とに分かれており、船室内は空調が効いています。この船は、澎湖~望安~七美を行き来する定期船でした。乗客以外に、各島に運ぶ貨物も積み込まれます。
澎湖島を出船すると、小さな島々が点在し海も日本では見ることのない藍色です。波もなく快適に走る船は、1時間位で望安島に着きました。ここで一部の乗客と貨物を卸し七美島に向います。七美に向うと、海の状態が変わり、少し浪が出てきました。普段釣り船で鍛えている私には丁度良い揺れです。

暫くすると、前に座っていた台湾人のオバサンが振り向き、話しかけてきました。“あんた、七美に何しに行くの?”、“ちょっと見に行くだけ”、“泊まるの?”、“いや、今日馬公に戻る“、”外国人?“、”日本人です“、”私も日本に行ったことがあるよ“・・・と話しているうち、おばさんは”七美に行ったらバイクを借りたほうがいいよ“と言いました。どうしてかな?と思いながら”俺、台湾の免許持っていないけど“と言うと、おばさんは笑いながら”七美なら大丈夫だよ、誰でも貸してくれるよ“などと会話をしていると暫くして、どうやら窓の傍の席だったので、気分が悪くなりそうだといって他の席に移って行きました。半信半疑でしたが、島に着き下船するとやっと理由が飲み込めました。

 船から降りた人は、港の前に並んでいるバイクに群がり、そこにいるおじさんと話をしてお金を払うと、さっさと走っていってしまいます。家族連れは、お父さんが運転お母さんは後ろ、子供がハンドルと運転席の間に立っての3人乗りです。私は躊躇しながら港の前を行ったりきたりしましたが、バイク以外に交通機関はなさそうです、暫く思いあぐんでいるうちに誰もいなくなってしまいました。帰りの便は2時間後なので何もできず港の景色だけ見ているのも来た意味がないので、思い切ってバイクのおじさんに話しかけました。“バイク借りたいんだけれど!”するとおじさんは“1日か?”というので、“2時間”と答えると“150元、帰ってきたら此処に置いといて”と言います。
 あっけに取られてお金を出すと、それを取ったきり別に他に何も言いません。これでいいのかなーと思いながらバイクに乗りエンジンを掛けようとしましたが、恥ずかしながら40年もバイクに乗っていないのと、昔乗ったときのものと全くタイプが違う(これはいわゆる原チャリ、私が昔乗ったのは本田のスーパーカブ、エンジンはセルスタートではなくて、キックでした)のでエンジンの掛け方が分かりません、仕方なくおじさんに“どうやってエンジン掛けるの?”と聞くとキーを動かしながらエンジンを掛けてくれました。こんな奴に普通は貸さないと思うけど・・・。これが本当に日本の貸し自転車より簡単に貸してくれるのです。そして代金は150元(日本円で500円ちょっと、ガソリンも入って)ですよ、信じられますか!!こうして親父(僕)はモタモタと港を後にしました。40年ぶりに乗るバイクは始めおっかなびっくりでアクセルを吹かしたり、ブレーキを掛けたりとぎこちない運転です。でもこの島では、殆どバイク以外は走っていないので本当に安全でした。暫く走ると、絶景ポイントに到着です。この頃になると運転も慣れてきて段々とスピードを出すようになりました。

七美島は港を除き、周囲は断崖絶壁、島の中は割合平坦で、大きな木がなく草原のような感じです。所々で、羊や牛が放し飼いにされています。

道路は整備されており、バイクで走るには格好のコースです。皆、思い思いにコースを走り、所々にあるポイントで海を眺めたり、写真を撮ったり、と楽しんでいます。台湾海峡の風を満面に受け、颯爽とバイクを走らせました。青春は帰ってはきませんが、気分は20歳の若者に戻ってしまった様な感じでした。可愛い女の子が後ろに乗っていたら 最好!

 此処は、景色も最高ですがバイクに乗っているだけでも気分が爽快になります。但し、11月~4月初めくらいの間は、季節風が吹く為、海は荒れるそうで、又風も結構冷たいのでベストシーズンは初夏から初秋との事です。暫く気分よく走っていましたが、帰りの便が有るのでそろそろ港へ戻ろうと思いました。島の中の道路には標識があるので気楽に走っていましたが、いざ帰る段になると港の標識が見当たりません、時間は差し迫ってきて内心冷や冷やものでしたが、何とか港らしき表示を見つけそちらに向って走っていきますと、5分もしないで港に到着しました。バイクを返し、船に行きました。誰も乗っていません??どうしてかな・・・と思い外にいたおじさんに聞くと、私が思っていた時間より出船時間が30分も後でした。
 
 じゃー昼飯を食べようかと港の前の食堂に行くと、丁度私の前に6~7人が店に入っていったので、混んで料理が間に合わないといけないと思い(取り越し苦労)、食事はやめて店の前で売っているカキ氷を買って船の中に持ち込み食べていました。 暫くすると、おじさんが来て切符を見せろと言うので、往きに買った切符の半券を見せたところ、何か言っています、この人は北京語が余り得意ではないようで、台湾語に北京語を混ぜて言うので良く分かりません、どうやらこれでは駄目だ切符を買って来いと言っているようなのは雰囲気で分かりました。私は馬公で買った七美の切符は往復と思っていたのですが、片道の切符のようでした。でも紛らわしいのは切符には「馬公⇔七美」となっているので間違えますよ。結局、一度船を下りて港の前で切符を買い求めました。料金は443元なので、往復886元、遊覧船より高くついてしまいました。でもバイクも乗れたし、まっいいかー!!船は定刻の1340に七美島を出て、往きと同じく望安により馬公に戻ってきました。この話をすぐ誰かに話したくて堪らない程、いい気分の一日でした。

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